医者「漏斗胸なので絶対に太らないでください」
僕「!?!?」
診察室に入って座った僕に対して医者は中央に白い影がかかっているX線のレントゲン結果を見ながらそう言った。
聞き間違えたかな?
そんな診断を伝えられるとは思わず聞き返した。
内容は変わらずどうやら聞き間違いではなかったようです。
身体が成長しきっている段階で困っている症状がないなら、これから先もほとんど気にしなくてよいとのことで安心。
実は僕は鳩尾(みぞおち)の部分が凹んでいるので漏斗胸ではあるかもしれないとは思っていた。
実際に診断されたのは初めてのことだった。そして改めて調べてみると、全く関係ない可能性もあるものの中学生の頃に思い当たる症状もある。
漏斗胸についてと中学生の頃に合った症状について紹介する。
漏斗胸とは
漏斗胸(ろうときょう)は胸骨が内側に凹むことによって胸部の形状に異常が生じている先天性の疾患のことを指します。主な特徴は胸部のくぼみであり、これが起因して一般の人よりも内臓のスペースが制限されることがあります。幼少期には症状が現れることは稀だそうです。
内蔵のスペースが制限は成長期に顕著となり、以下のような健康問題を引き起こす可能性があります。
- 呼吸困難: 漏斗胸のくぼみが深い場合、胸腔内のスペースが制限され、肺の十分な膨脹が難しくなり、呼吸困難を引き起こすことがあります。これは特に運動や体力活動時に顕著になります。
- 心臓の圧迫: 漏斗胸が重度の場合、胸骨が心臓に圧迫をかける可能性があり、心臓の正常な機能に影響を与えることがあります。
- 精神的影響: 漏斗胸の外見的な特徴が個人の自尊心や心理的健康に影響を与えることがあるため、精神的な苦痛を引き起こすことがあります。
成長によって体格や筋力の変化によって症状が改善することもあれば、成人してからも自覚症状が続く人もおり個々人によって異なります。
もし胸部が凹んでいて胸の痛みや運動による動悸が激しい・呼吸がしづらくなるといった症状があれば一度受診して医師に相談してみるとよいかもしれません。
中学生のころ体温調節できなくなった
※漏斗胸が原因だと断定できたわけではないので、深く受け止めなくてよいです。
突如として運動ができなくなった。
まだ寒さが残っている3月末に体育の授業で2000mの持久走を走っていた。その日は体調も普段と変わらず、いつも通りに走り終え、授業が終わるのを待っていた。
走り終わってから暫く経っても、呼吸が乱れていて息が浅い状態が続いており回復のスピードがだいぶ遅いなと気づく。
これまで問題なかったし過呼吸になっているわけではないからそのうち落ち着くだろうと様子を見ていた。
チャイムがなって授業が終わり、校舎に戻ってからは回復どころかむしろ悪化していた。体操服から制服に着替えるのすら呼吸が辛く体がかなり重く気分がよくなかったことを覚えている。
着替えてからも心臓がバクバクと動悸が治らず玉の汗が大量に出て、授業を受けることのできる容態ではなかったので、保健室に行き休んだ後その日は早退。
こんな症状は生まれて初めてで、この時点では今日はたまたま不調だったんだろうと深く考えていなかった。
もう昔のことで正確には覚えていないが、ここから約半年以上はまともに学校に通うことができない生活が始まる。
まさか学校生活を送れないほどに体調を崩すことになるとは思いもよらず、途方に暮れた。それも前触れもほとんどなくかなり急に。
自分自身何が起こっているのか理解できなかったし、何かしら原因がわかる物であれば生活リズムなど改善のしようもありましたが、コントロールできることではなかった。
身体的にもかなり辛かったですが、他の人と同じように生活することができないことが焦りや不安をもたらし精神的にも辛かったです。
どうやら僕は体温調節機能がうまく機能させることができなくなってしまったようです。
暑い時期に20、30分外で過ごすだけでも気分が悪くなり、呼吸がしづらくなって苦しむことになる。そんな体では運動ができるような状態ではまったく無く、体を動かしてみようとすらしなかった。
今日を無事に終えて明日を迎えれるかといった恐怖に苛まれる日々。そんな恐怖心を持つほど僕が適応してきた世界とは劇的に異なる場所に連れてこられたようでした。
体調を崩してからはいくつかの病院に行きました。
症状を伝えて診断をしてもらっても原因がわからないからしばらく様子を見ましょうとのこと。3、4箇所の病院で同じようなやり取りを繰り返しましたがやっぱり原因はわからない。ちっとも症状が良くなることもありません。
最後に行った病院で一応診断はされた。軽いアスペルガーじゃないかと。当時はそこまで知名度は高くなかったように思う。
いくつか特徴を挙げられ、当てはまってはいたが体温調節ができないというのは納得が難しかった。
ひとまず病院巡りは終わりすぐに解決できるものではないと理解。徐々に外部環境に身体を慣らしていくことで対処するしか方法はありませんでした。
長期的に付き合っていくしかないと早期の解決を諦めたことで精神的には少し楽になった。相変わらず学校には行けないし、状況は依然として何も変わってないけど。
気温が低くなり涼しい季節になると、いくらか外に出られるようになった。それでも体調が万全とはいかず、常に不調は続いており学校に行けても教室には1つの授業だけを受けてあとは保健室で過ごす時間が多かった。
人との関わりも希薄になってしまったし勉強に専念するのも難しく、人生における大事なタイミングで取れる選択肢が狭まったりと失ったものは多い。
それでも体調を崩してから数年間(3-4年)、症状が続きましたが少しずつ回復しなんとか生きてます。
この出来事は漏斗胸の影響によって症状が出ていると診断されたわけではないため、まったく漏斗胸とは関係の可能性も十分ある。
ただどこの病院でも原因がよくわからないとの診断からそれだけが原因だとは思っていませんが、多少なりとも影響があったと思う。いくつかの要因が絡まっていた不幸な出来事だったと考えるようにしている。
漏斗胸なら太らないほうがいい?
漏斗胸のため成人してから症状がなくても通常の人よりも胸部が凹んでいることによって、主に心臓や肺など内蔵のための空間が狭くなっているそうです。
太ることによって体重の増加や脂肪が余分につき、ただでさえ一般の人よりも狭いスペースがより狭くなってしまう。そのため、太るのだけは注意してくださいとのこと。
太ることによって漏斗胸の症状が出てくる場合もあるそうです。
診察受けた時に今後影響があるかどうかは聞いたのに、中学の頃の話を聞いてみるのを失念。もう過ぎ去ったことで前向きになっているのだと捉えておきます。次にその病院へ行く機会があれば今度こそ聞いておきます。
症状があって病院へ行っても必ず原因が判明するわけではないし、それがどうしようもなく短期的には解決しないことだってあります。
ただ食生活や生活リズムなど自分でコントロールすることのできることは少なからずあります。
辛くて苦しい自分にはどうすることもできない理不尽にぶち当たっても時間の経過と自分にできることを精一杯することでいずれ解決につながる、将来は誰にもわかりませんがそうと信じています。
それではっ!