自分の強みについて考えるきっかけってあんまりないですよね。不意に強みについて聞かれて、しっかりと答えることができる人は少ないんじゃないでしょうか。
考える機会があっても新卒の就活の際に履歴書や面接のためくらいで、転職する時にもあまり聞かれてないような気がします。
面接中の記憶がそもそも詳細に残ってないので、聞かれても新卒の就活用に作り上げた強みを語っていると思います。
就活のときはそれっぽい強みを書いてはいたけれど、本当にそうなのかと腑に落ちていない面もありました。大学時代に強みを書くためにしたことは、在籍期間を横軸としてどんなイベントに関わってきたかをフィッシュボーンチャートのように枝を足していきます。僕が関わってきたイベントは地元で開催されている展示会への出展、論文発表、学会やイベントの運営委員などをしていました。
横軸にイベントを紐づけた後は、それぞれどんなことをしたのか、どんな能力が求められたのかを書いていきます。自分だけで完結するものもあれば、関わるメンバーの動き方を簡単にマネジメントしていく必要があるイベントもあった。
どれも締め切りがあって、やることをリストアップしてスケジュールを立てる必要がありました。いくら丁寧に作成しても実際に予定通りに進むことはまずなくて、遅れが発生したり当時に必要なものが不足していたり、メンバーが体調不良で出られなくなってカバーしなきゃならないなどトラブルはつきもので大変です。
話を戻すと、強みをこれまでの経験から計画力があるとしていました。wbs(Work Breakdown Structure)の考え方から発生する作業を細かく分解して、作業できるレベルにまで落とし込むことで作業進捗やタスクの割り当てを実施していたと。面接での受けは悪くはありませんでしたが、僕の強みというよりかは、関わったイベントに求められていた能力でたまたま苦手ではなかったというだけではないかという疑問は持っていました。そも強みはそう易々と見つけられるものなのかとも。
関わったイベントと求められる能力の中で共通項が多いものを強みとするやり方は発見しやすさはあるけれど、自信を持って強みとは僕は言えませんでした。常日頃から計画を立てて生活を送っているわけではないし、モノによってはいくらでも先延ばしにして一向に着手していないといった事柄もあったからです。強みと言っていたことは一方では弱みでもあって矛盾しています。大部分当てはまっていれば、それは強みと言っていいかもしれません。イベントはそう頻繁にあるわけでもなく、むしろ弱みが発揮されてしまっている場面が多かったためなおさら自信を持って強みとは言えてませんでした。
今回は強みを見つけるためのきっかけとして「クリフトンストレングス」を受けてみました。就活当時から存在は知っていましたが、自身の強みを知りたいという意欲もさほど高くはなかったためスルーしていました。
元々は「ストレングス・ファインダー」という名称で、2015年に「クリフトンストレングス」と名称が変更されました。個人の強みを特定するためにギャラップ社によって開発されたツールで個人やチームのパフォーマンスを向上させることを目指しています。50年にわたるデータと分析に基づいて、個人の強みを34の資質に分類されており、ユーザーは質問に答えることで強みの上位5つを特定することができます。
の公式サイトを調べてみると、いくつかの種類があって、上位5つの資質を特定するものだけでなく、34の特性全ての順位を知ることができるものやリーダーやマネージャーに特化したクリフトンストレングスがあるようです。
書籍を購入してクリフトンストレングスを受ける場合は、上位5つの資質を特定することができるテストになります。とりあえず上位5つの資質を知りたいということであれば、書籍購入でよいと思う。いやいや、せっかくの機会だから詳細まで知りたいということであれば、少し高くはなりますが公式サイトから受けてみて下さい。
受けた結果、僕の強み上位5つは下記でした。
- 適応性:状況の変化に対して容易に対応できる
- 慎重:検討に時間をかける検討士
- 調和性:論争を避けて全員の合意を目指す
- コミュニケーション:説明や描写、人前で話すこと書くことが好き
- 戦略性:パターンを見つける・状況の先読みが得意
それぞれの資質に対して書かれていることが意外と実体験と当てはまっていて驚いた。皆が持っている能力だと見做し、強みとして活かせる可能性のある資質をスルーしていたのだと気づくことができたため受けてよかったです。
反対に自身ではあまり意識していないむしろ苦手だとすら感じていた資質があって、面白い。クリフトンストレングスによって見えてくる資質は自身が考えているものでなく他者から見た客観的な視点です。自分では分からなくても普段の行動や話し方振る舞いから自身の資質について他者の方がよく理解していることもあります。
ここ最近仕事上、タスクのアウトプットや進捗状況について説明をすることが多いのですが、説明をすることや作業を文章として残すのが常々下手だなと感じていました。
にも関わらず、そのことについてよくできていると褒められた経験があって、自分のことについて普段コミュニケーションをとっている人の方がよく知っていることがあるのだなと実感しました。
前にも似たような経験があって、苦手と感じている事柄を打ち明けた際に「え?そうなの?全くそんなふうには思えない」と自身のイメージと相手が自分に対して抱いているイメージに乖離があったことがありました。
その時は、お世辞でしょと一蹴してしまったことを少し後悔しています。自分のことは自分自身が分からないながらも一番知っていて理解していると考えていたのです。自身について、身近な人に聞いてみるのが強みを発見する上で大きなヒントになると今では思う。
もちろん、他者から指摘されたことやクリフトンストレングスの結果が納得しづらいことだってあるかと思います。もしかすると自身では思いもよらない強みとして活かすことができる資質という可能性があります。本の中でそれぞれの資質に対して強みとして活かすための行動アイデアが記載されていて、まずは受け入れ実行してみるのがよいでしょう。
コミュニケーションの資質については、本当かと思いましたが、自分が強みと感じるのかそうでもないのか判断する材料を得るためにもまずは実践したい。
自分を知ることは価値観や軸をしっかりと持つことに繋がり自信を持てるようになります。
それではっ!