他者のアドバイスに依存してしまうことによる影響

考え方
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自身のことで決断できずに悩んだ末に誰かに相談したり、あるいは作業を指示されたことに対してわからない点について聞いたときにそれくらい自分で考えなよと言われた経験を持っている人はいるでしょうか。

自身に言われたことがなくても、見知った人が言われていたり、相談されたときに自分のことだから自分で決めなよと感じることはあったと思います。

生まれてすぐは、親が話している言葉が分からず意思疎通が難しいし、自ら望んだ行動をすることも難しいため身の回りのことは全て変わりにサポートしてもらって生活を送る。

小学生になる頃には日常生活では困らない程度には十分に会話を通してコミュニケーションができるようになっていて、身体も成長しているため自分の意思で自由に動かすことができるようになる。

箸の使い方やトイレの行き方、学校の準備、生きていくためのルールなど様々な能力をアドバイスをもらいながら、実践して少しずつ獲得していく。

そうして、自分で考えと貰ったアドバイスを駆使することで成功体験を積み上げていく。

アドバイスやサポートが手厚ければ手厚いほど、与えられた答えの割合が増していき、本人が自分で考えるということをしなくなる。答えを与えられる方は、自分で考えることなく指示されたことに従っていれば、うまく行った時には褒められ、そうでなくても別の答えが与えられてそのうちうまくいく。

そして答えを与える方は、教えてあげたことで他者が上手くいったなら心地よさを感じ、自分の教え方がうまかった、自分の考え方は正しいのだという思いを補強する。

与える側が成功体験を積むことによって、ますます手厚いアドバイスを与えるようになり、行動する本人が自分の考えを取り入れてトライ&エラーによって問題を解決する能力を育む機会を奪われてしまう。

奪われたことに気づくことなくアドバイスに従い生きているとあるとき、大人になっていくどこかのタイミングで「こんなことも教えないとできないのか」とか「少しは自分で考えなさい」と言われてしまうことになる。

答えを教えてきた人から急に梯子を外されてしまうことで、自分で考えることを知らないから路頭に迷うことになってしまう。

アドバイスがないと目的を達成するために行動することができないため、貰えないのなら別の誰かからアドバイスを受けようとする。

幸か不幸かアドバイスを与えたいと考えている人はインターネットの世界に多くおりアドバイスを求めようと思えば不特定多数に質問することができる。

そして最近ではchatgptをはじめとした、AIツールの普及によっていくらでもアドバイスを得ることができるようなっている。

あるアドバイスが上手くいかなかったから、別のアドバイスを試してみてできるまで繰り返すことができるために一向に自分で考える能力を獲得することにはならない。

そして、アドバイスがなければ目的は達成することが出来ないと思っている。同じような内容の自己啓発本や情報商材を数多く売れているのはこういった理由があるのではないだろうか。

いくら買っても、行動が伴わなかったり、達成できなかったりするとさらに別の商品を追い求めて、目的の達成は叶わないままにノウハウだけが蓄積していく。

タイパやコスパが重視されることで、効率的、合理的でいなければならないと思い込み、非効率や非合理さを受け入れることが出来なくなりつつある理由の1つではないかと感じている。

確かにやったことのないことに対して、先達のアドバイスに従ってできるのであれば、時間的にもPDCAを試す労力も削減することができる。

他者からのアドバイスは他者の成功体験に基づくものであって、それが自分の行動や目的達成のためにどれだけ役立つものか参考になるかということは分からず、上手くいっているようには見えるけど最適なものかも分からない。

それに最適なタイミングでピンポイントの欲しいと思っているアドバイスが得られることはあまりないように思われる。

自分で考える能力が身についている場合は、1つの方法を試してみて失敗しても再度別の方法を試すことによって、アドバイスに頼らずに自分で答えを出すことを自信を持ち、成功するためにより自分に合った方法を編み出すことができる。

答えを与えていた側も、ただ単に経験則に基づく答えを押し付けるのではなくて、教える相手が自ら考え、答えを見出すことのできるように誘導することで将来的にその人のためになる。

考えることが出来ない人に対して考えろと言ったところで諦めてしまうか答えを教えてもらうかするために根本的な問題の解決には繋がらず同じことを何度も繰り返すことになってしまう。

餌を与えるのではなくて餌の取り方を教えるには時間がかかるが、教える相手を思うならアドバイスがなくても試行錯誤して目標のために自走できたほうがいい。

答えを貰うことに依存状態である人も、アドバイスを貰うことで必ずしも解決に繋がらないことがあるということを知り、自ら行動してみるしかない場合があるということを理解する必要がある。

直ぐには難しいが答えの出し方を知ることで、別の目標を立てた時にも応用が効きやすくなり、様々な方法を試してああでもない、こうでもないと最短ではないかも知れないけれど、自ら目標を達成する能力を身につけることができる。

それではっ!

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