ミニマリスト
この言葉は身の回りの物を減らし、シンプルな生活を実践する人々のことを指します。SDGsの考え方が普及するとともに、ミニマリストも知られるように感じます。
物を買う際にはよく考えて買うようにとの両親の教えもあり、子供の頃から年を取るにつれてミニマリスト的な考え方をしてきました。そのため、物質的な側面ではミニマリストでした。
買いたいと思った物を好きなだけ買って使いこなせる以上に家の中を物で溢れさせるほど金銭的に豊かでは残念ながらないといった理由でもありますが。
一方で日常の生活行動において、ネットやSNS、動画コンテンツによって消化することができないほどの情報量にさらされており、溜め込み続ける情報デブになっていることに気づきました。
持てる自分のリソースを必要と感じる物や事に割り当てることによって豊かさを求めるライフスタイルとは裏腹に、時間の使い方の観点ではマキシマリストに近づいている。
ミニマリストについてさらっとおさらい
ミニマリストは、不必要な物を削減し、シンプルで整頓された生活空間を作り上げることを重視する人々のことを指します。物質的な豊かさよりも、心地よい環境や精神的な充実を追求することを大切にします。
現代人はミニマリストに向かっている?
物を購入する以外の体験を買ったりモノをシェアするといった選択肢が広がっています。
景気や物価が高騰する影響によって財布の紐が固い状況が続いています。今後も衝動買いが減り、物を大切にする意識が高まっています。
もの消費の時代
これまでは大量生産・大量消費社会では、企業は多くの製品を大量に生産することによって製品の生産コストを下げ、消費者により手ごろな価格で製品を提供していました。
そして消費者は1つ1つの製品の価格が安いため、製品は代替可能なものとして頻繁に購入を繰り返していました。製品が故障した際には価格にもよりますが、修理して再度使えるようにするといった選択を取ることは少なく、廃棄して新たな製品を購入するといった行動がなされていた。
地球への影響は大きく廃棄が追い付かず、ゴミ山ができたり、生態系への影響も出ています。
体験を買う時代
インターネットの普及
テクノロジーの進化によってCDやDVD、 本などの娯楽コンテンツが物質的な物を買うことなく、オンライン上のサービスによって手軽に楽しむことができるようになりました。Youtubeといった新しい形の娯楽も誕生することになり、テレビにしてもサブスクリプションのサービスを利用することで時間に縛られることなく視聴できる。
ものはシェア
物質的な製品に関して、購入して個人で所有しなくても製品などを借りて利用するといったシェアリングエコノミーと呼ばれるサービスが生まれています。以前にもレンタルサービスは存在しており、短い期間で物を借りることができていた。
両社の違いとしてレンタルサービスでは物を短い期間、借りた後に返却するのに対して、シェアリングエコノミーは特定のものを複数人でより長期にわたって継続的に利用したいタイミングで借りることができます。また、適用範囲は物だけにとどまらず、モノや空間、知識、スキルにまで及んでいます。
レンタルサービスでは知識やスキルなどは借りても返せませんね
これらのように技術の発達によって特定の娯楽品や製品の購入機会が昔に比べると減っている傾向にあり、これまで物を買うことで得られていた体験を物質的な物を所有することなく得るようになっています。
アパレルなどは大量生産・大量消費がいまだに続いてはいますが、エシカル消費が徐々に普及しつつあり将来的には落ち着いていくと考えられる。
情報に溺れる
インターネットの普及により、情報へのアクセスは容易になり、日々とても1日では捌ききれることのできない量の情報を浴びています。SNSやウェブサイト、ニュースなど、無限に増え続ける情報の海で自ら手にしたいと考え、得られた情報が一体どれだけあるでしょうか。私の場合は控えめに見積もったとしても80%以上は受動的に選られた情報で占められている。主体的に手にする情報は微々たるもの。
そして1日の終わりにどんな情報に触れたかと思い出そうとしても驚くほど覚えていない。
であるならほとんどの情報は無駄と言っても差し支えないはず 。
ただ見ているときは楽しさがあるし、さらに面白いことで会えるのではないかとなかなか指を止められない。ダラダラといつまでも使い続けてしまうことは避け、容量用法を守った上で利用するのがよい。
(自分への戒めとして)
脳が対処できる情報量を把握して、自分のために益をもたらす情報を取捨選択していくことで不要な情報を断ち切ることができます。そうできなければ消化不良に陥り、頭の回転が鈍ることになる。さらには集中力や注意力、思考力など頭を使う作業の生産性の低下に繋がり充実した日々を送れない。
まずは1日にふれる情報の中で、能動的に知ろうとしたか受動的だったのかということを意識して過ごしてみるといいかも。
時間を消費でなく浪費してる
無料コンテンツの増加
スマホによっていつでもインターネットにアクセスすることができるようになりました。そこで無料で提供されるコンテンツや情報が増える一方で、私たちはその価値を適切に評価できないことがあります。人は自分の考えを軸として持っていなければ、とても他人の意見に流されやすいものです。
SNS上でこれだけのフォローワーがいるのだからこの人がいってる意見について正しいと認識したのに、別の人は違うことを言っている。また別の人は…。と一体どの正しいんだと悩んでしまうことになります。自分の価値観に基づいて考えることができると、意見を吟味した上で意見を出すことができるためこういったことに惑わされなくて済むようになります。
気軽にアクセスできる情報に時間を費やすことによって本来過ごせるはずだった有意義な時間の浪費につながることになる。只より高いものはないとはよく言ったものです。
私はゲーム実況を最近よく見るようになったのですが、自分の人生をプレイすることなく他人の人生観戦する時間が増えているなと危機感を覚えています。
その間、私は何も経験しておらず他人の人生を生きているのです。
SNSやテレビにしても同じことが言えます。美味しそうなスイーツやグルメが画像や映像として流れてきてもそれは液晶画面でしかありません。海が写っていても泳いだり日差しを感じるわけでもないし、絶景が映っていても見ていないのです。
実際にその写真なり映像を撮っている人だけが経験しており、楽しんでいることを眺めることしかできないのです。
自分に与えられた時間というリソースを他人の人生の一端を覗くことにだけに消費しているのは勿体無い。
あらゆることでミニマリズム
物質的な側面だけでなく、時間の使い方や普段の生活での行動、思考などまだまだ様々な場面でミニマリズムの視点を持つことができるなと改めて感じます。情報の選別に加えて時間、お金、健康寿命など手札に抱えている有限なリソースを何に振り分けていくかを常に考えることが必要になる。そうすることによって自己理解が深まり価値観を知ることができる。
まとめ
ミニマリストは物質的な物を減らすことを重視していますが、大切な点は生活を豊かにしてくれるかどうかです。物を減らすことはあくまでその手段に過ぎず、多すぎる情報や生活での行動にも対しても生活を豊かに、充実させてくれるものかといった視点を取り入れることができる。
情報に溺れかけている日々を振り返り、リソースの割り振り方そのバランスを定期的に見直す。